カメラを持って出かけない日がある。
時間がないわけでもないし、
気分が悪いわけでもない。
ただ、
今日は撮らなくていいと思う日がある。
写真を始めたころは、
撮らない日があることに少し焦っていた。
うまくなるには撮らなきゃいけない。
感覚は続けないと鈍る。
そう思っていた。
でも今は、
撮らない日も大切だと思っている。
撮らない日は、
目だけで景色を見る。
光の入り方。
風の音。
空気の重さ。
シャッターを切らないぶん、
その場に長くいられる。
写真にしなくても、
その感覚は残る。
無理に形にしなくても、
その日が消えるわけじゃない。
むしろ、
撮らなかった景色のほうが、
あとから思い出すこともある。
撮らない日は、
自分の感覚を整える日かもしれない。
うまく撮るためでもなく、
誰かに見せるためでもなく、
ただ、
空気に触れる日。
写りより、気配。
それは、
シャッターを切ったときだけの話じゃない。