レンズを探すとき、
最初から目的がはっきりしていることは少ない。
「何か面白いレンズはないか」
それくらいの感覚で、いつも探し始める。
ある日、カメラショップに立ち寄った。
中古レンズの棚を眺めていると、
ふと目に留まった一本があった。
ソニー Vario-Tessar T* FE 24–70mm F4 ZA OSS。
名前は知っていた。
ソニーとカールツァイスの組み合わせ。
でも、これまで本気で使おうとは思っていなかった。
その日は買わなかった。
一度持ち帰って、考えた。
一週間、頭のどこかにずっと残っていた。
スペックを見直しても、
レビューを読んでも、
決定的な理由は見つからない。
それでも、気になっていた。
なぜこのレンズを買ったのか。
理由ははっきりしている。
テストしたかったから。
ソニー × カールツァイスの描写が、
今の自分の感覚にどう映るのか。
数字や評判じゃなく、
実際に使って確かめたかった。
レンズは、
使ってみて初めて分かる。
構えたときの感触。
シャッターを切る直前の空気。
画面に映った世界の距離感。
そういうものは、
スペック表には載っていない。
このレンズが、
どんな「気配」を残すのか。
それを知りたくて、
僕はこのレンズを選んだ。
写りの良さを求めたわけじゃない。
答えを出すためでもない。
ただ、
試してみたかった。